にんげん研究大発表会2018<報告まとめ>

2018年8月4日(土)、5日(日)。立教大学生・鳥取大学生、ICU国際基督教大学)の学生、そして教員や町内外の地域の方々が集まって、暑い熱い「にんげん研究大発表会2018」が終了しました。遠方からお越しいただきありがとうございました!

1日目は、三つの分科会にわかれて学生たちの研究発表を開きました。たみの周辺にある地域の活動拠点を会場にして、社会学・芸術文化に関する研究発表(3年生はこれから取り組んでいく研究発表)をし、ディスカッションを行いました。学生が司会となり、10名ほどの小さな「場」にしたことで、密な意見交換を取る事ができました。また、活動拠点を利用する地域のみなさんが参加することで、世代間交流ができ、価値観の違いなどから、発表のあり方・届け方をどのようにすればいいか、一人一人が思考する機会となりました。

普段あまり交流のない学生たちの発表を聞くことで、社会に対してどのような思いを持っているのかを知ることができたり、普段の生活で「研究」とまで意気込んで取り組んではいないけど、学生たちの研究方法を聞いて「これもわたしの研究になるのかな?」と気づきがありました。

詳しい研究内容・分科会の様子は、学生の意志を尊重するために「学生に指導しない」というルールのもと、学生を影から見守っていた教員の方々によるレポートをご覧ください。

分科会「じぶんじしん・まち・えいぞうについて in よどや」報告 - 鳥取大学 にんげん研究会

分科会「まちづくり・おまつり・おんがくについて」in 梅や 報告 - 鳥取大学 にんげん研究会

分科会「アートについてin 汽水空港」報告 - 鳥取大学 にんげん研究会

 

その日の夜は、近くの公民館をお借りしてみんなで食事を済ませ、裏・交流プログラムとして、学生みんなで花火とスイカ割りを行いました。発表会の時と違って、顔の表情が自然でなんとも微笑ましい姿が見られました。

 

2日目の午前の部は、うかぶLLC・三宅航太郎による「松崎ドラマチック物件ツアー」と題して、たみ周辺や近隣の方々のご自宅の中を通り抜け、ぞろぞろと練り歩きました。この地域には、旧街道があって、商店と自宅と作業場が一つに繋がっている「うなぎのねどこ」と呼ばれる建築があり、都市圏ではなかなか見られない「おもしろ物件」に出会えたりもします。現在もわずかながら、商店と住居空間が同じ家庭も残っています。暮らす場所と働く場所がいっしょだから、濃密な生活文化が培われている町ともいえます。地域の人たちのそんなドラマチックな営みをしているのかが垣間見れ、大学生に好評でした。

午後の部は、会場を湯梨浜町商工会に移して、13時からは「地域に関わるための○○○をつくる〜たみの実践を事例に〜」を開きました。鳥取大学地域学部 五島朋子先生がが「にんげん研究会を通じて「たみ」を考える」、うかぶLLC・三宅と蛇谷が「たみのこれまで」を発表しました。パネリストには、元たみのシェアハウスメンバーのモリテツヤさん、田中広大さんに参加していただき、教育・研究会におけるのたみ、たみによってつくられた地域(人々とのつながり)などについて、当日参加したみなさんも交えてお話しました。しっかりとした発表と議論の場だったはずが、研究発表をとおして、6年間をふりかえって泣いたり笑ったり。ここで出会った一人一人が、これからも引き続き、地域に関わるための○○○をつくっていこうと、確認できた機会となりました。

15時からは「はじまってしまった...にんげん研究」ということで、この二日間に起きたこと、見てきたことを鳥取大学地域学部の竹内先生、稲津先生、筒井先生が発表。各分科会でどのようなことが起きていたのか、学生たちが気づけてない発見や気づきを、先生たちが鋭く視点でレシーブして言葉に残してくれました。来年はわたしも発表してみようかな、次はこういう風にしたら地域のおばあちゃんたちも参加できるよ、と参加者からのいろんなアイデアも集まって、来年も熱い大発表会になること間違いなし!?

 

あっという間の二日間。今年は学生たちとプログラムから当日準備までいっしょにできたので、鳥取大学生がホストとなっておもてなしすることができました。地域の活動拠点を会場にしたことで、拠点それぞれのコミュニティの色が出て、発表会のいい刺激となって盛り上がりました。普段あまり立ち止まって考えることのない「地域」や「文化」について学生たちと同じ目線になって考えたり、授業といえ、真剣に悩み・失敗しながら自分の関心ごとを研究する姿をみて、大人になって賢く生きてつまんない人間になった自分に気づいたりすることもありました。

振り返れば、誰もがみな通ってきたほんの一瞬で儚い「学生」時代。当日出会った学生たちをみて、いまの自分や当時の自分を投影していたように思います。次会ったときは、まったく同じ彼ら彼女らにはもう二度と会えないけど、またここで大人になった彼ら彼女らと再会できること日を楽しみに待っています。

 

2018年9月

にんげん研究会 コーディネーター 蛇谷りえ

 

映像記録:佐々木友輔(映像作家)

 

写真記録:岸野祐二郎+石原卓弥(鳥取大学写真部)

以下のサイトからアルバム写真がご覧いただけます。

photos.app.goo.gl

 

企画概要

日時:2018.8/4(土)13:00〜20:00、8/5(日)10:00〜16:00 ※開場は30分前
受付会場:たみ(鳥取県東伯郡湯梨浜町中興寺340-1)
その他イベント会場:汽水空港、梅や、よどや、旭区公民館、湯梨浜町商工会

参加費:1日1,500円(二日通しは2,000円)※学生・町内の方は無料
定員:40名(要予約/定員に達していない場合は当日受付可能)

お申し込み・お問い合わせ:
にんげん研究会(担当:蛇谷りえ)
ningenkenkyuukai*gmail.com *を@に変換してください。 

 

主催:にんげん研究会
鳥取大学地域学部五島ゼミ・佐々木ゼミ・稲津ゼミ・竹内ゼミ、立教大学社会学科小泉ゼミ、うかぶLLC)
共催:鳥取大学地域学部附属芸術文化センター
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