読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

2016年11月のにんげん研究会

「にんげん研究会」(にんけん)とは、鳥取大学の学生らといっしょに、
"にんげん" をテーマに研究する集まりです。
仕事以外の興味関心を、本を読んだり人に聞いたり話したりして調査し、
研究会で発見したことなどを自由に発表し合います。
オープンな会ですので、県内外問わずお気軽にご参加ください。
どなたでも参加OK、途中入退場も可能ですので、
お知り合いもお誘いあわせの上お越しください。お待ちしてます!

今月のにんけんは、11月24日(木)にたみにて「限界芸術論」の輪読を行います。
本の作者の鶴見俊輔は、専門家によってつくられ、専門家によって受け入れられる
芸術を「純粋芸術」(Pure Art)、同じく専門家によってつくられますが、大衆に
楽しまれる芸術を「大衆芸術」(Popular Art)としたうえで、非専門的芸術家に
よってつくられ、非専門的享受者によって享受される芸術を「限界芸術」
(Marginal Art)と考えました。限界芸術の具体例として鶴見が挙げたのは、
落書き、手紙、祭り、早口言葉、替え歌、鼻歌、デモなど、私たちの誰もが
日常生活で繰り返している身ぶりや言葉です。
それらは一見すると「芸術」とは隔たりがあるように思われますが、鶴見によれば
芸術とは美的経験を直接的につくりだす記号であり、この観点に立てば、ふだんの
暮らしの中での美的経験は、展覧会で絵画を鑑賞する美的経験などよりも、かなり
幅広い拡がりをもっていることがわかります。
こうした生活の様式であると同時に芸術の様式でもあるような領域を、言い換えれば
生活と芸術が重なり合う「のりしろ」の部分を、鶴見は限界芸術であると考えました。

今回は、「限界芸術論」という本の内容を紹介しながら、生活と芸術が重なり合う
「限界芸術」についてみなさんとトークして行きたいと考えています。

◆キーワード
・芸術
・美的経験
気になるキーワードのある方は、ぜひご参加ください!
投稿末尾に本の概要を記載しておりますのでこちらも併せてご覧ください。

日 時|11月24日(木)19:00?21:00
場 所|ゲストハウスたみ
参加費|無料

企画・運営:鳥取大学にんげん研究会(地域学部五島・仲野・小泉・筒井研究室)
お問い合わせ:ninninninlab@gmail.com
にんげん研究会facebookhttps://www.facebook.com/ningenkenkyukai/?fref=ts

【本の概要】
芸術と生活の境界に位置する広大な領域、専門的芸術家によるのでなく、
非専門的芸術家によって作られ大衆によって享受される芸術、それが「限界芸術」
である。五千年前のアルタミラの壁画以来、落書き、民謡、盆栽、花火、都々逸に
いたるまで、暮らしを舞台に人々の心にわき上がり、ほとばしり、形を変えてきた
限界芸術とは何か。その先達である柳宗悦宮沢賢治柳田国男らの仕事をたどり、
実践例として黒岩涙香の生涯や三遊亭円朝の身振りなどを論じた、戦後日本を代表
する文化論。

2016年10月のにんげん研究会

「にんげん研究会」(にんけん)とは、鳥取大学の学生らといっしょに、
"にんげん" をテーマに研究する集まりです。
仕事以外の興味関心を、本を読んだり人に聞いたり話したりして調査し、
研究会で発見したことなどを自由に発表し合います。
オープンな会ですので、県内外問わずお気軽にご参加ください。
どなたでも参加OK、途中入退場も可能ですので、
お知り合いもお誘いあわせの上お越しください。お待ちしてます!

今月のにんけんは、「無縁社会のゆくえ―人々の絆はなぜなくなるの?」第?部の輪読を行います。

頼母子講(たのもしこう)を知っていますか?
参加者同士でお金を融通する民間の互助組織のことで、一定の期日に構成員が掛け金を出し、くじや入札で決めた当選者に一定の金額を交付し、全構成員に行き渡ったとき解散する仕組みになっています。
日本にはこのように人とのつながりや信頼の中でお金を回して助け合えるような仕組みがありましたが、現在はそれが失われたり、変化しつつあるようです。
今回は、「無縁社会のゆくえ―人々の絆はなぜなくなるの?」という本の内容を紹介しながら、自らにとっての「つながり」「縁」がどのようなものか、またそれらはどう変化していったと感じるのかについて議論したいと思います。
キーワードとなる頼母子講、自治、縁、等に興味がある方は、是非御越しください。

今回の内容は、10/28に松崎で行われる三八市で小泉ゼミが主催する「おしえてーな松崎」という催しで続編として展開する予定です。どちらか一方 でも十分楽しめる内容となっていますが、両方来ていただく方がより楽しめると思います。ご友人などお誘いあわせの上、ぜひお越し下さい!

参加いただく皆様には、あらかじめお送りする資料を読んできていただけるとありがたいですが、読まれなくても研究会の場で内容をみんなで確認しながら進めますのでお気軽にご参加ください。なお、鳥取大学の学生は必ず読んで来てください。
お手数ですが、以下のURLから文献のPDFをダウンロードお願いします。

- ダウンロードURL -
http://firestorage.jp/download/e4e1270ab5081fb0248176b56b48e2848628d59e


日 時|10月20日(木)19:00〜21:00
場 所|ゲストハウスたみ
参加費|無料
企画運営|鳥取大学にんげん研究会(地域学部五島・仲野・小泉・筒井研究室)

ご不明な点やご質問等は、お手数ですが下記のアドレスまでご連絡ください。
お問い合わせ|ninninninlab@gmail.com

【本の概要】
日本では、かつての地縁血縁関係によって築かれていた地域コミュニティでの人間関係が崩壊し、単身世帯が増え、また、近隣関係だけでなく、終身雇用制の崩 壊とともに職場での人間関係も希薄になっている。このような人間関係が希薄となった在り様が、NHKにより「無縁社会」と命名された。本書では、日本に急 速に広がりつつある「無縁」の実態をデータで示しつつ、一人暮らしのリスク、高度経済成長の反動、単身世帯の増加、未婚率の原因、高齢者特有の心理を解き 明かす。孤独とは悪なのか、回避していくべきものなのか。超高齢化社会が必ず直面するであろう問題を分かりやすく解き明かす。
第?部は、無縁社会の調査や取材に基づく実態、第?部は、無縁社会の経済的原因やその人口動態に関する背景要因、第?部は、無縁社会における心理や行動についての考察、という構成になっている。

2016年9月のにんげん研究会

「にんげん研究会」(にんけん)とは、鳥取大学の学生らといっしょに、
"にんげん" をテーマに研究する集まりです。
仕事以外の興味関心を、本を読んだり人に聞いたり話したりして調査し、
研究会で発見したことなどを自由に発表し合います。
オープンな会ですので、県内外問わずお気軽にご参加ください。
どなたでも参加OK、途中入退場も可能ですので、
お知り合いもお誘いあわせの上お越しください。お待ちしてます!


9月29日(木)のにんけんでは、沖縄からNPO法人「島の風」の理事長をされている納戸義彦さんを
ゲストにお招きしてトークをしようと思います。
NPO法人島の風では、沖縄県伊是名島(いぜなじま)で主に古民家再生プロジェクトを行っておられます。
沖縄古民家を再生し、島の風景を守ると共に、地域にスモール・ビジネスを発生させ島の元気につなげようと
する取り組みです。

観光といえば、どれだけの人が来たか、どれくらいお金を落としていったかなど、
目に見える数字が大切にされています。けれど「島の風」の実践は経済市場主義の社会に対する
アンチテーゼとしての活動なので面白いと思います。

社会にのまれないために、観光地でありながら「来るなという誘客」をしたり、
「売らないという売り方」「観光客から感動客へ」など独自の戦略をとり、
既存の価値観を壊しながら、新しい価値観を作っておられます。
その姿勢や価値観に私たちも学ぶところがあると思います。

今回のにんけんは、聞き手・話し手が分かれずに、みんなでおしゃべりできるような雰囲気に
なればいいな、と思っています。みなさまの参加をお待ちしております。


ゲストプロフィール:
納戸義彦(ノトヨシヒコ)
1953年福岡生まれ
1993年沖縄に移住
1996年伊是名島に転居 ダイビングショップオープン
2005年NPO法人島の風設立 理事長に就任
2014年合同会社 島の元気研究所 設立 代表に就任

NPO法人「島の風」HP
http://www.shimanokaze.jp/

トーク「開発に頼らない持続可能な島づくりを目指してー古民家再生プロジェクトー」
ゲスト:納戸義彦(NPO法人「島の風」理事長)

日 時|9月29日(木)19:00〜21:00
会 場|たみ(鳥取県東伯郡湯梨浜町中興寺340-1)
参加費|投げ銭制(おやつ代)

 

ご不明な点やご質問等は、お手数ですが下記のアドレスまでご連絡ください。
それでは今月もよろしくお願いいたします。

企画|鳥取大学にんげん研究会(地域学部五島・仲野・小泉・筒井研究室)
お問い合わせ|ninninninlab@gmail.com
にんげん研究会facebookhttps://www.facebook.com/ningenkenkyukai/?fref=ts

2016年8月のにんげん研究会

にんげん研究会」(にんけん)とは、鳥取大学の学生らといっしょに、
"にんげん" をテーマに研究する集まりです。
仕事以外の興味関心を、本を読んだり人に聞いたり話したりして調査し、
研究会で発見したことなどを自由に発表し合います。
オープンな会ですので、県内外問わずお気軽にご参加ください。
8月9日は研究発表会、25日はゲストトークイベントと盛りだくさん!

鳥取大学立教大学上智大学合同ゼミ「真夏の大発表大会2016」
こんにちは!にんけんです!
暑い日々が続きますね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?
8月9日のにんけんは、この夏の暑さに負けない熱いイベント。
「真夏の大発表大会2016」と題し、鳥取大学立教大学上智大学
合同ゼミ発表を行います!

第一部は、院2年生と学部4年生の卒論・修論中間発表。第二部は、
院1年生の修論構想発表と学部3年生の研究紹介です。地域活性化、地方文化、
住民自治、アート、などなどあらゆる分野に関わる発表内容となっています。
(発表の題目は当日お伝えします)

参加されるみなさまには少々タイトなスケジュールかつ長丁場になるかも
しれませんが、ぜひとも学生に力をお貸しくださいませ!どなたでも参加OK
途中入退場も可能ですので、お知り合いもお誘いあわせの上お越しください。
お待ちしてます!

日 時|8月9日(火) 15:30〜22:30
第一部 15:30〜19:10
夕 食 20:15〜21:00
第二部 21:00〜22:30
場 所|ゲストハウスたみ
参加費|無料 (ご飯を食べられる方のみ500円頂戴します)


続いて8月25日のにんけんでは、ゲストに沖縄県立芸術大学の土屋誠一氏を
お招きし、「土屋誠一に聞きたい!100のこと」と題し鳥取のこと、沖縄のこと、
美術のこと、文化のこと......を中心にフリート―クをしていただきます。

 土屋誠一氏は2001年に美術批評家としてデビューし、2003年より執筆活動、
展覧会企画、各種講演・シンポジウム出席などの活動開始、現在は沖縄県立芸術大学
の准教授をされています。
最近の論文として、「一九四五以前の『沖縄美術』?」『ゲンロン3 脱戦後美術』
2016年、「すぐわかる!『キャラクター論』の展開」『美術手帖』2016年8月号、
「『ウォール・オブ・サウンド』としてのヴェルヴェット・アンダーグラウンド
ユリイカ』2014年1月号などがあります。

今回のトークでは公開ラジオのような形式で学生らが用意した質問
(今日の限界芸術について/美術における反知性主義/地域とアート/鳥取の文化について
etc...)に答えていただきながら、
土屋さんの見える、地域から文化まで美術にまつわる世界から、私たちの「社会」に
ついて考えていきます。
参加される皆様と一緒にオープンなトークができればいいなと思っています。
皆様のお越しをお待ちしています!

トーク「土屋誠一に聞きたい!100のこと」
ゲスト:土屋誠一氏(沖縄県立芸術大学准教授)
聞き手:田中優 門脇瑞葉 (鳥取大学筒井宏樹研究室)

日 時|8月25日(木)19:00〜
場 所|たみ
参加費|無料

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ご不明な点やご質問等は、お手数ですが下記のアドレスまでご連絡ください。
それでは今月もよろしくお願いいたします。

企画|鳥取大学にんげん研究会(地域学部五島・仲野・小泉・筒井研究室)
お問い合わせ|ninninninlab@gmail.com
にんげん研究会facebookhttps://www.facebook.com/ningenkenkyukai/?fref=ts

2016年7月のにんげん研究会 開催

こんにちは、にんげん研究会(にんけん)です!セミが鳴き始め本格的に夏が始まりました。
今月からにんけんでは二回にわたり「沖縄」をテーマにしたトークを行います。
第1弾となる7月28日はトーク「焼き物を通して知る沖縄」。

今回は沖縄の民藝、特に焼き物に造詣が深い鳥取大学の五島朋子先生に、
沖縄独自の焼き物の発展や特徴について、また職人や買い手、
売り手といった焼き物をとりまく人や環境の変化について話を伺います。
地域にはそれぞれの土地に根差した職人によって、
焼き物のほかにも木工、布や紙などさまざまなものが作られてきました。
そうして土地にある資源(土や水、植物など)から生まれ、
人々の日用品として発展した民藝は「日常の美術」「民衆の美術」と言われています。

沖縄は「唯一の地上戦」が行われ県民が戦争に巻き込まれた後、戦後アメリカの占領統治下におかれ、
現在も米軍基地が存在する等、歴史的、地理的、政治的背景が原因となり、国内でも特色のある文化を
持つ県だといわれています。
その沖縄の民芸は戦争によって失われたり、または変容の中に立たれているものであると考えられるため、
沖縄の焼き物について知ることで、私たちの身近な地域の文化や暮らしについても考えるきっかけになるかも
しれないと考えられるからです。

毎日暑いですが、ここはひとつ重い腰を上げて、沖縄の焼き物のおもしろさを知る楽しい夜にしましょう。
みなさまのお越しをお待ちしてます!

★晩御飯はたみのカフェで食べられます(18時から営業)。にんけんが始まる前に、カフェで腹ごしらえがおすすめ!


トーク「焼き物を通して知る沖縄」
ゲスト:五島朋子(鳥取大学芸術文化センター)
聞き手:蛇谷りえ(うかぶLLC)

日 時|7月28日(木) 19:00〜21:00
参加費|無料
場 所|ゲストハウスたみ

企画運営|鳥取大学にんげん研究会(地域学部仲野・五島・小泉・筒井研究室)
お問い合わせ|ninninninlab@gmail.com

2016年6月のにんげん研究会告知

こんにちは!にんげん研究会(にんけん)です。
長らくお待たせいたしました。いよいよにんけん2016、始動します!

記念すべき今年度第1回目は、映像作家佐々木友輔氏によるトークを行います。
佐々木氏は「場所」や「郊外」に対する独自の視点で、茨城や沖縄をはじめ
さまざまな地域で実践的に映像製作を行ってきたアーティストです。
また今春武蔵野美術大学のイメージライブラリーから鳥取大学に赴任された先生でもあります。
今回は「地域と映画」をテーマに、佐々木氏のこれまでの活動や作品を紹介して頂きます。
映画をめぐる「ドキュメンタリー≠劇映画」や「ドキュメンタリー=ノンフィクション」
のようなイメージについておもしろいお話が聞けそうです。なんと、沖縄で撮影した新作の一部も観られるかも...!
ぜひお気軽にご参加ください。

佐 々木友輔氏プロフィール→http://qspds996.com/sasakiyusuke/bio/

★晩御飯はたみのカフェで食べられます。にんけんが始まる前に、カフェで腹ごしらえがおすすめ!(カフェは18時から営業)★
日 時|6月23日(木) 19:00?21:00
参加費|1ドリンクオーダー
場 所|ゲストハウスたみ
企画運営|鳥取大学にんげん研究会(地域学部仲野・五島・小泉・筒井研究室)
お問い合わせ|ninninninlab@gmail.com

2016年10月のレポート

 今回のにんけんでは、『無縁社会のゆくえ』の内容を踏まえつつ、現代社会が抱える「問題」というよりかは、更に自分たち学生にとって切実な「悩み」を共有し、人との心地よい「つながり方」について言葉を交わした。
 今回の輪読を通して見えてきたのは、自分が心地よいと思える縁やつながりを複数個所に持っておくことが、生きやすさに結び付くのではないかということである。

 本の中にも書かれていたように、現代社会は確実に個人主義が浸透している。それによって社会の無縁化が進み、人は一人でいる時間が昔に比べて圧倒的に長くなった。兄弟の人数は減り、祖父母とは同居しなくなった。高校を卒業すると同時に私たちのように一人暮らしを始める若者は一般的になっている。同じアパートの住人とは挨拶を交わすことすらない。
 一方で、私たちは適度に他者と距離を保って、心地よいつながり方を手に入れているのではないかという発言も出た。そもそも個人化の背景には、濃すぎる「縁」から逃れたいという先人の願望が感じられる。「他人と深くかかわるのは面倒だけど、いつも一人で孤独でいるのは嫌」というのは自分勝手で傲慢なような気もするが、ごく自然なことなのかもしれない。
 自分たちの周りにあるつながりについて議論しているうちに、私たちは主に2つの場所に縁をもっていることがわかってきた。
 1つは大学入学とともに手に入れた縁。親元を離れ一人暮らしをしている人は、実家で生活していたころに比べると圧倒的な自由を手に入れることになる。好きなときに友達と遊び、好きな時間に帰宅する。しかし、一人暮らしは個人主義の最たるもののひとつで、自由である一方孤独がつきまとう。「玄関を出たらそこから『社会』というように感じる」という意見が出たように、私たちはどこか宙ぶらりんな感覚に襲われる。
 2つ目は生まれ育った地元で育んできた縁。この縁の存在は非常に大きい。地元に帰って実家に帰り、家族や友達に会うことで、「自分はひとりじゃない」と再確認することができる。毎日家族に干渉され、近所付き合いに気疲れするのはごめんだが、たまに帰ると家族や古くからの友達との確かなつながりを感じ、一人暮らし生活とのバランスを保っているような感覚だ。

 今回の輪読を通して、人は常に他者とのつながり方を模索していることが改めてわかった。人間関係って面倒臭いけど、誰かとつながっていたいという感覚は、怠惰でもなければ傲慢でもない。しかし、人との関係や縁というものは自らが紡いでいかなければならないものだ。蛇谷さんがおっしゃっていたように、「無縁化した社会」の流れに飲まれないように、ささやかでも逆らっていくことが重要だ。田舎特有の濃い地縁や、インターネット上のゆるい関係性など、自分にとって生きやすいようにつながり方を使い分けていくことが、私たちの求める「心地よい他者とのつながり方」なのではないだろうか。

※以下、樽本さんがまとめてくださった全体の内容です。
 とてもわかりやすいので一緒に送らせていただきます。

【講について】
インドネシアにも日本の講のようなアリサンという習慣があり、それは参加者同士の間の信頼と宗教的な道徳心で現代まで維持されている。

・日本の講って、信頼できない人を排除し信頼できる人同士でつくる排他的な組織とも言えるんじゃないのか。
では逆に、排除されてしまうような人でも参加できるような講や集団のあり方ってどんなんだろう。

【地縁について】
・新しい土地に住むとき不動産屋を介して物件を探し借りるのか、身近なつてを通じて紹介してもらうのかでその人の地域生活のあり方が異なる。学生は多くの場合、不動産屋を通じてアパートを探すが、まったく知らない場所に放り込まれるだけで回りにどんな人が住んでいるのかも分からない。
むしろ「近所に挨拶回りとかしなくていいから」とあらかじめ断っておく大家さんもいる。
(社会と隔絶された環境で4年間を過ごす。そこに地縁は全く育まれることはない。4年経ったらどこかに行ってしまうから、その前提があるから、互いに縁をつないでいこうという感覚は生まれない。いつからこういう感覚が生まれたのだろう?)

・家庭内の情報もみんなに筒抜けで、地域の行事には家族ぐるみで参加しなければならない田舎を出て、プライベートが守られ、一人でも生きていける空間を得た。その変わり、卒業したりするといっきにまわりの環境が変わり、ほんとに一人になる。

・「アパートを出た瞬間に、はい社会に出た」っていう感覚がある。

・昔は家の「中(家庭内)」と「外(地域)」が繋がり流動的だったが、現在は「中」と「外」が分断されている。かつては地域での催しがそれぞれの家族生活の一部だったし、今でも町内会を始め自治会に入っていれば家庭内でも地域の行事に参加したり、地域のことについて話したりする。つまり家の中と外が互いに影響しあっている。しかし、学生街のような人の入れ替わりの激しい地域では特に、地縁のようなものは育まれにくいしそもそも育まれないようにできているのではないか。


・学校や会社などある組織の中に所属しているうちはまだ日常的に人とのつながりを持てる。しかし、学校を卒業、会社を辞めた後はいっきに環境が変わる。人と会うこと、話すことが当たり前ではなくなる。もっといえば、学校にも会社にももともと所属していない人、たとえばアーティストなど「正常じゃないコース」で生きる人は、属するコミュニティを自ら作るか探すしかない。

・この本が言っている「縁」とは、あらゆる縁の中でも「地縁」の話。離れても繋がれるというのがネットの利点だが、いざというときに助けたい人、助けてもらいたい人が遠くに住んでいてどうにもならないということが露見したのが東日本大震災じゃないか。この本が書かれた背景には、ネットが代替できない、物理的な距離の近さを基盤にした地縁の重要性・必要性の再認識があったんじゃないか。

【自治組織について】
・地域の自治会が、清掃活動や地域行事といった面倒なことと、みんなが居心地の良さや楽しさを感じられるようなつながりづくりとを両立されられる場にするにはどうしたらいいだろう。

・松崎は1つになろうとしない。地域の清掃は自治会がやるがそれとは別に、たとえばワイワイや東郷愛好会は、それぞれの目的を明確に、自分達がやりたいからやっている。

・維持するために強制されない、誰かが責任に押し潰されないことが大切

・所属する場を複数持つ。1.家庭、2.地域、3.会社や学校、4.ネットや趣味といった帰属先をたくさん持つことでさみしさから解放、しがらみからも解放、つながりを使い分けより、生きやすくなる。


ざっくりですがこのような話が出ました。いろんな人がそれぞれのこれまでの生活を振り返りながら話をしていたように思います。
卒業を控える学生にとってはこの先どう生きていきたいか、どういきていったらいいのかのヒントになるような会になりました。

広告を非表示にする