2020年10月22日にんげん研究会レポート

文学でもアートでもない日記との関わり方                

 2020年10月22 (木)に夏休み明け、初めてのにんげん研究会が行われました。前期は「コロナウイルスの影響を受け、オンラインで繋がることで新しく出会えたことや繋がれたこと、繋がれない状況の中で出会えたこと」について日記を書いて発表を行いました。今回は集まった100近くの日記について、一人一人が気になった日記、面白いと思った日記について話し合いを行いました。みんなが他人の日記を聞いて、見て、思うことを話し合うことでそこに何が残されているのか?何が表現されているのか?分析を行います。 

蛇谷りえさんは「日記を聞いて、読んで自分が思ったことは他人に批判をされる不安があるかもしれないけど、相手に自分の言いたいことが誤解されたとしても、ここは訂正できる場所だから誤解を恐れずにね~」と皆さんが発言しやすい空間を醸し出してくださいました。

今回は、うかぶLLCの蛇谷さんが進行役を行い、写真家の金川晋吾さん、アニメーション作家の今林由佳さんは学生と同じ立場で気になった日記について質問や意見を話しあう立場で参加されました。では、今回のにんげん研究会の様子について、発言された順にここに記していきます!

初めに蛇谷さんが竹内潔先生を指名されました。竹内先生が選んだのは渡辺大志さん「ランニング」です。この日記は、運動不足解消のためランニングをしている途中で会った友人と就職活動やゼミ、卒業論文など話したいことが積もるほどあることについて書かれています。そんな中で、ふと上を見上げた時に見た景色についても語られていました。今風に言うと「エモい」みたいな感じの景色です。竹内先生は、蛇谷さんからトップバッターに指名されて、この日記の、この描写をパッと思い出したそうです。この日記について深掘りしていこうと蛇谷さんが質問をしようとしたところ、、、竹内先生は子守中で赤ちゃんが泣いてしまい、残念ながら竹内先生の意見を深掘りすることができませんでした。蛇谷さんは、そんな出来事を笑いながら次の方にバトンタッチをしました。

次に渡辺さんは宮北温夫さんの「日本経済新聞を読んだ」を選ばれました。この日記は新聞の配達員が運んできた新聞から、コロナ・ショックにおける学生の姿について分析を行っている様子が書かれています。この日記について、渡辺さんは小難しい文章で書かれていることが印象に残ったようです。宮北さんと渡辺さんは同じゼミですがお互いの文章をみる機会がない!とおっしゃっていて、この日記が相手を新たに知ることのきっかけになっているのだと思いました。金川さんは「日記をみるとその人をしるきっかけになって自分と似たような経験をした日記をみると勝手につながった気になる」と言われていました。

次に、宮北さんはお休みだったので蛇谷さんが共に古武術を習っている中村友紀さんを指名されました。しかし、中村さんはお茶を買いに行っており、パソコンの前にいなかったようなので蛇谷さんは、山崎七重さんを指名されました。

山崎さんは音泉寧々さんの「七重と遊んだ」を選ばれました。この日記は、コロナの影響で中々会えずZOOMやSkypeを使って会っていた山崎さんと七重さんが直接会って遊んだ様子について書かれています。自分のことを書かれていることについて音泉さんは「そう思ってたんだ!意外だった!嬉しかった!」と言われていました。このことに対して、音泉さんは「人に見せる日記だから、暗いことは書かず面白いものを書くことを意識して書きました」と言われていました。

次に音泉さんは、根路銘翔以李さんの「ひとりの誕生日」を選ばれました。この日記は、根路銘さんが毎年自分の誕生日に手紙を書く習慣があり、誕生日当日は、1つ年上の未来の自分に向けてのお祝いの手紙を書いて、ゆっくり午前中を過ごして、買い物をし、夜にはお気に入りの飲み屋さんに行って、大好きなお酒を飲む1日を過ごすことについて書かれています。1人でも楽しい誕生日を過ごせる自分を誇らしく思うという日記でした。この日記について「音泉さんは習慣化されているのがすごくて、おしゃれ~」とコメントされていました。

次に根路銘さんがいないということで音泉さんが印象に残った山下紗世さんの「体温を測る」を選ばれました。この日記は、コロナウイルスの影響で毎日、体温と向き合う習慣ができたことについて書かれています。この日記について、音泉さんは「シュールで淡々とやってるんやな~」と言われていました。それに対して、山下さんは「シュールと思われると思っていなかったです。いつも記録していることを書くことで日記っぽくなるかなと思って書いた」と言われていました。先ほど、音泉さんが人に見せる日記を意識して書いたのに対して山下さんは人に見せるというよりは自分の記録を書かれていることが分かります。

 次に山下さんは増岡祐子さんの「チキンラーメンとカレーライス」を選ばれました。この日記は、にんげん研究会で声にだして読まれていない日記だったので山下さんが読み上げました。日記では、(何時でもいいから)起きたあとに食べるごはんのチキンラーメンに対して、空腹を満たすことだけが目的のこれまでの食生活がフラッシュバックし、胸のあたりがチクッと痛んだ様子について書かれていました。その後「朝ごはん」のせめてもの罪滅ぼしのために、夕食にカレーライスをつくっており、写真も掲載されていた。山下さんは、この写真が印象に残ったと言われていました。また、「(何時でもいいから)起きたあとに食べるごはん」というフレーズに対して「自分はそう書かないです。日記だからこそ自分の価値観を書いていいのでは?」と言われていました。蛇谷さんからは「日記で反省している?」と言われていて、増岡さんは「反省したくなります」と言われていました。蛇谷さんも「日清の焼そばを毎日たべて落ち込んだことがある」と言われていました。

 次に増岡さんは石本愛美さんの「ひたる」を選ばれました。この日記は、汗をかく機会がない夏の日に外に出ず汗をかくために半身浴をしたことについて増岡さんが読み上げられていました。バスタブにお湯を張るのは一人暮らし3年目にして初めてのことで、湯船の中でスマホを見たり、ゲームをしたりぼーっとする時間を、常に色々なことに追い立てられている日々の中で、意識的にゆとりを感じる時間を過ごさないといけないと言われていました。増岡さんは、「海の写真が気になって日記を読んだら自分と共通点があった」と言われてました。石本さんは「この日記は、ネタがなくて書いたものなので他人にみせるつもりがなくて恥ずかしいです…」と言われていました。

次に石本さんは今林由佳さんの「知り合いとは、オンラインで交流できるけど、知らない人とは、目の前にいても交流していいのか迷う自粛期間」を選ばれました。この日記は、緑を探し求めるウォーキング中に立派な邸宅の手をかけられた庭の緑、住人不在の庭で野生感満載の緑、公園のまばらな緑、空き地でボーボーの緑、等々。と出会い写真を撮っていると、その家の女性と目が合い、声を発することをためらいながらも、女性と会話を交わす様子について書かれています。この日記について、石本さんは「アニメーション作家だから描写するものの情景が浮かぶ」と言われていました。それに対して今林さんは「コロナウイルスの影響下で経験をしたベスト1をみんなに晒す貴重な経験だから、聞く側が何か発見できたらいいなと思ってこの日記を書いた」と言われていました。その一方で、「にんげん研究会の日記は、文学でもアートでもないが皆に晒すチャンスがある。人間らしい図々しさ。お前らしさでいい。と思いつつもそういう関係性になれてなくて脱皮できてない」と言われていました。今林さんのコメントから、にんげん研究会の日記が他人に見せるものであるが自分を出していいのか。それとも本来の自分を隠してもう一人の自分を表現するのか。葛藤している様子がうかがえました。

次に今林さんは角野綾香さんの「しっかりしたホームの駅もステキだけど、無人でちょっと寂れたホームの駅も悪くない」を選ばれました。この日記は、コロナウイルスの影響下でどこもいけない角野さんが最寄り駅から鈍行列車でどこまで行くことができるのだろう?模擬旅行に出発したことについて音読をされました。発表者は先ほど音読をした際に淡々とした感じで読まれていた山下さんを今林さんが指名しました。日記では、終点につくたびにグーグルマップで現在地を確認して、「こんなところなのね~」だとか「近くにこんなお店ある!」なんてことを調べている様子が発表されていました。今林さんは「山下さんに淡々と読んでもらったことで、文章を読んだ時の角野さんのふんわりした感じ、ワクワク感に気づくことができた!」と言われていました。今林さんのコメントから、日記を読む人を変えることで日記からにじみ出てくるその人に気づくことができるのだと感じました。

次に角野さんは、綿谷綾乃さんの「夏の成人式」を選びました。この日記は、島で行われる成人式がコロナウイルスの影響でナイトクルージングが無くなったこと、参加できない友人がいること、海に埋めたタイムカプセルも役場の人が取りに行くなど、例年通りにいかない成人式について残念だと感じながらもコロナウイルスの影響下で成人式のために動いてくれた大人たちのやさしさに触れたことについて書かれた日記を角野さんが読み上げました。この日記について、角野さんは「読むことで方言が分かった」「海の中にカプセルを埋めるって?どういうこと!?」と言われていました。これに対して、綿谷さんは「カプセルを埋めることに驚かれることに驚きました!」と言われていて、蛇谷さんは「前にお米の日記を読んだときも皆に驚かれてたよね~当たり前が皆にとっては当たり前ではないんだね」とコメントされていました。

最後に綿谷さんは、音泉さんと同様に根路銘さんの「ひとりの誕生日」を選ばれました。(日記の内容は上記を見てください)この日記について、綿谷さんは「誕生日は誰かに祝ってもらうことが幸せだと思ってたから初めての感覚、自分のためにという考え方は素敵な考え方」と言われていました。それに対して根路銘さんは「自分は実は強がりで、誰とでもやれる子と比べると祝われることは少ないけど、寂しいと思うのは違うと思っていて、このことを日記に書くことで、自分をさらけ出して全てを認めてもらいと思って書いた」とおっしゃっていました。それに対して、今林さんや蛇谷さんは「それをさらけ出すことを大事にしてもらいたい!」とおっしゃっていました。

今回のにんげん研究会では、前回とは違った面白さや緊張感があったように思います。前期は、予め発表者が決まっていてその発表に対してコメンテーターの三人がコメントをするかたちでした。そのため、発表者は緊張しながら自分の番を待っていたのに対して、聞く側はカメラをオフにしてご飯を作りながら聞いたり、湯船につかりながら聞くなどラジオっぽい感覚で日記を聞くことが可能でした。しかし、今回は次に誰が指名されるのかわからない中での話し合いだったので、次に誰が指名されるのかわからない緊張感や自分が指名されるかもしれないドキドキ感がありました。また、赤ちゃんが泣きだしたり、お茶を買いに行っていてPC前にいない出来事など前回とは違った面白さのあるにんげん研究会だったと思います。次回はどんな出来事が起こるのか楽しみです!

また、今まで溜まっていた日記を改めて読み直したことで、何を皆さんが意識して書いていたのかがみえてきました。日記を他人に見せるということで、楽しい日記、それを読んで相手に発見があるような日記を心掛けて書いている人もいれば、反省のようなものや日々の出来事、自分を表現することを書いている方など、にんげん研究会の日記は他者を意識して書く人や少しだけ意識している人、意識しない人など様々な書き方が話し合いからみえてきました。また、それを受け取った読み手は、その日記に共感をしたり、その人の出来事と自分と重ね合わせたり、自分にとっては当たり前ではない世界が見えてきたり、様々な受け取り方があることも分かりました。私も日記を書くうえで「どこまで自分のことを日記に書いていいのか?でも日記とは自分のことを書くようなものの気もする…」と葛藤しながら書いているので皆さんの意見や考えを聞くことで日記との関わり方を模索することができました。今回は、皆さんのにんげん研究会での日記との向き合い方がみえてきたように思います。次回の話し合いでも、新たな日記との関わり方と出会えることを楽しにしています!

鳥取大学 稲津ゼミ 3回生 志茂春菜

 

2020年10月22日のにんげん研究会参加者の声

10月のにんげん研究会定例会もリモートでの開催となりました。しかし、今回の定例会はいつもとは違い、蛇谷さんを中心としたコメンテーター陣を中心に今までににんけんメンバーが書き溜めていた日記を定例会参加者とともに振り返るというものでした。

 今回多く寄せられていたのは、日記そのものにも筆者の個性は出てくるけれども、またそれをよむ読み手によってまた違う印象を日記に与えることが出来ることを知ったというようなコメントでした。山下さんが日記の読み手になっていくつかの日記を読んでくれていましたが、日記の読み手と書き手が違うとその日記に対して別の印象を受けることは新たな発見だったと思います。

 また、アンケートの改善に関して寄せられた意見として、これまでのにんけん主催のイベントの具体的な名前がわからないので選択式にしてほしいという意見がありました。より良いアンケートにするため次回以降は選択式にしたいと思います。貴重な意見ありがとうございます。

 今後ともアセスメントチームの活動へのご協力の程宜しくお願いいたします。

にんげん研究会アセスメントチーム一同

『冬のにんげん研究相談会2020』開催

今年は、「にんげん」お悩み相談会。

これまでは、夏に立教大学生と鳥取大学生が鳥取県中部にある湯梨浜町(旧東郷町)に学生や一般の方々が一堂に集まり、日常の中で関心事や問題をテーマに調査や実践した事柄を「研究」として捉え、発表してきました。今年は、オンラインで顔の見えるサロン形式で、参加者一人一人が抱える多様な社会で生きる「人間」にまつわる悩みを公開し、語らうことで、人と人の関係の中で生まれる可能性を探っていきます。

 

遠方におられる卒業生や過去の参加者、関係者の方々にも聴講いただけます。

システムの都合上、あらかじめ参加者名簿を作成しますので、ご希望の方は前日11/3までにお申し込みお願いします。

 

日 時|11月4日(水)18:00〜21:00、5日(木)16:00〜21:00

受付|オンラインアプリzoomを採用して行います。

URLを事前にお送りしますので、開始時間にお集まりください。(途中退場可能)

参加が遅れる場合はご対応しますので、ご連絡ください。

参加費|無料

 

お申し込み・お問い合わせ先|

ningenkyuukai@gmail.com(担当:蛇谷)

 

当日の流れ

11/4

18:15 URL受付開始

18:30 始まりのあいさつ(全員集合)

18:45 3グループに分かれて相談会 開始

20:45 今日の振り返り(全員集合)

21:00 学生オンライン交流会

 

11/5

16:00 うかぶLLCの活動紹介&松崎オンラインツアー(17:30ごろ終了予定)

18:15 URL受付開始

18:30 始まりのあいさつ(全員集合)

18:45 3グループに分かれて相談会 開始

20:45 二日間の振り返り(全員集合)

21:00 終了

2020年8月20日のにんげん研究会参加者の声

8月のにんげん研究会定例会も前回同様リモートで開催されました。今回の定例会は学生だけでなく一般の方の日記も披露されました。また今回は司会者の蛇谷さんに代わってコメンテーターの今林さんが司会を担当するなど、前回・前々回の定例会とは違った雰囲気の違った定例会となりました。
「オンラインで出会える/つながらないことで出会ったモノ」をテーマに今回も個性あふれる様々な日記が朗読によって披露されました。アンケートには「発表者の方々の読み方にとても個性が感じられて、日記の内容と共に楽しめた」という感想があり、日記を書くだけでなく自分なりの伝え方で朗読するという定例会の良さが伝わったように思います。また「コメンテーターの方に司会進行をまかせてみる、というのが新鮮で良かった」「今林さんの感想に熱がこもっていて面白い」「金川さんの感想はホッとする」というコメンテーターへの感想も多くみられました。
アンケートの改善点として「出身地」の選択肢が必要なのかという意見を複数いただきました。現状「出身地」というアンケート項目が活用されているわけでないことを踏まえ、次回からは「出身地」の項目を消すという方向でアンケートを製作したいと思います。今回も真っ直ぐな感想や意見をたくさんいただきました。アンケートに関する意見も多数いただいております。私たちアセスメントチームも皆様によりにんげん研究会定例会を楽しみに参加していただけるよう、寄せられた意見をもとにアンケート作成や今後の活動に精進していきます。今後ともアセスメントチームの活動へのご協力よろしくお願いいたします。
にんげん研究会アセスメントチーム一同

2020年8月20日にんげん研究会レポート

2020年8月20日(木)第四回にんげん研究会(以下にんけん)が行われた。今回のにんけんも鳥取大学の学生だけでなく、大学外部からの参加もありました。

 今回の発表は、鳥取大学の学生が7名、外部の方2名の日記が発表されました。発表は前半4人、後半5人に分けられて行われました。ここでは、今回のにんけんで発表された流れに即して、学生の発表の要約とコメンテーターからのコメントを記していきたいと思います。

 

まず発表をしたのは、盛田実優さんでした。日付は8月19日でタイトルは「だいたいコロナのせい。」でした。実家で起こった不幸なことをすべてコロナのせいにしてしまおうという内容でした。コンビニの透明なカーテンで店員さんと会話ができないこと。オンライン授業が増えたことで眼鏡をつける機会が増え、ニキビができたこと。母が作る煮込みハンバーグの中にワカメが入っていたこと。など、実家で起こった不幸をコロナに擦り付けている心情を記した日記でした。

金川さんからは、宮沢章夫のエッセイを読んでいるようで面白く、人に見せるのを意識していて論文調で書かれており読み返して面白いもの。蛇谷さんから、コロナのせいにすることは、コロナの状況を受け入れるためなのか、それともコロナに対して感情をぶつけるものなのかという質問が出ました。それに対して、盛田さんは、イライラをコロナに投げつけるために書いたということでした。今林さんからは、家族を客観的に見る視点があったというコメントがありました。

次に発表をしたのは、渡邊乃愛さんでした。日付は8月3日でタイトルは「汽車であれこれ」でした。湖山駅から米子方面に向かう中での風景を見ながらの渡邊さんの海へのあこがれや、鳥取の風景への気持ちなど地元と比較しながら、自分の内面を描いた日記でした。   金川さんからは、現在と過去を文章が行ったり来たりして、時制が変わるのが不思議な感覚だった。蛇谷さんからは、自分独自の視点から語られており映画の主人公の話を聞いたようだった。今林さんからは、自分の好きなものを一言で終わらせず、自分の内面を描きながら表現する緻密な表現がすごかったというコメントがありました。

3番目に発表をしたのは、小林あまねさんでした。日付は8月20日でタイトルは、「お泊り会初日の夜」でした。友人の家にバイトが終わった後訪れた小林さんは、友人の実家から送られてきた食べ物のことや、友人と野菜を切ることやゴーヤチャンプルを作っている様子、そうした中での会話などが描かれた、日常について書いた日記でした。

蛇谷さんからは、学生のリアルな日常が見えた。金川さんからは、日記を通して、たわいない日常が見えるのは面白い。今林さんからは、文章の中で描かれている場面について、時間や友人のキャラクターなど読む側に面白いと思わせる要素をもっと入れるともっといいというアドバイスやコメントがありました。

 前半最後に発表したのは、武田知之さんでした。日付は、8月16日タイトルは、「回転寿司」でした。回転ずしが自分はどれだけ好きなのかということを、理由をいくつもあげて紹介していた。友達との食事に最適であること。サイドメニューやご当地コラボメニューがたくさんあり楽しいこと。デザートもおいしいことなど、開店寿司が好きなことについて書かれている日記でした。

金川さんからは、聞いたことがある話のように聞こえて、心情の部分で個別性が見られる話しや表現の工夫があるとよかった。蛇谷さんからは、文章で読むときと声に出して読むときでは印象が違ってくる。武田さんも、テンポよく読めるように文章を作ったと言っていました。今林さんからは、金川さんのコメントに付け加えて、自分の日常哲学を入れていくとよりよかったかもなどのコメントがありました。

休憩を一度はさみ、後半の最初に発表をしたのは、原田耀士さんでした。日付は8月20日タイトルは、「カンパチを救え!」でした。初めに、友人から高知のカンパチがコロナウィルスの影響で不振になっていることを知ったことが介された。その後、原田さんは、カンパチを注文し、カンパチの食べた感想を具体的に書いた日記でした。

蛇谷さんからは、原田さんが学生であるのに、話し方のテンポやトーンが大人のように聞こえたので、ギャップが面白く、蛇谷さんが初めに、何歳ですか?という質問をして、コメンテーターの間で笑いが起こった。金川さんからは、男の子が書く文章がおっさん化している。会社の話をしちゃう感じで、自分のことをすっと出せない。男の人が、構造的に自分のことを話せない、などのコメントがありました。

次に発表したのは、永島優太さんでした。日付は8月20日タイトルは「社会を忘れて世界の片隅に立つ」でした。趣味のランニングに行こうとするときの大家さんとの会話や、ランニング中の夕日などの外の景色を見ることで、永島さんが考えている心情が描かれている日記でした。

金川さんからは共感できる文章であった。私は、好みの問題かもしれないが、孤独を感じるものにグッとくる。今林さんからは、人間のカギをしていたい心の引き出しを少しずつ見せる感じの文章で面白い。蛇谷さんからは、自分の性格を書いているところが二面性のギャップが見えて面白い、などのコメントがありました。

後半3番目に発表をしたのは、浅尾桃衣さんでした。日付は8月19日タイトルは「特別な曲」でした。浅尾さんの特別な曲、Aqua Timezの「生きて」について、曲の中の歌詞を紹介しながら、浅尾さんが共感をしてふるいたたされていることを、自分の性格や今までの行動と照らし合わせながら書いている日記でした。

蛇谷さんからは、蛇谷さんは、浅尾さんの普段の様子について質問をした。浅尾さんはそれに対して、自分自身ばかりに興味を持つことがあり、他人に甘えているかもしれないという返答をした。それに対して、蛇谷さんは、甘えんぼでもいいんじゃないかといった会話が展開された。金川さんからは、普段日記をつけていない人の日記を見れてよかった、などのコメントがありました。

4番目に発表をしたのは、児玉泰地さんでした。日付は8月20日でした。断捨離をしている児玉さんのもとに友人の父親から梅干しが届いた。そこから、友人が死んだことや、過去の記憶を思い返している場面から、現在へと意識が戻ったその後の行動の様子が描かれている日記だった。

金川さんからは、具体的な景色を書くことで、こちらの内面に触れてくる感じがあっておもしろい。男女関係などのことを書いてくれると共感できることがあってよかった。(蛇谷さん)児玉さんの文章は、感想で言えることが迷うが、感覚に訴えてくるものがあった。というコメントがありました。

最後に発表をしたのは、谷口茉優さんでした。日付は8月16日でした。谷口さん含め5人のメンバーとともに、作品発表ができるオルタナティブスペースとして使える空き家を借りているそうだ。そこの庭にある植物について興味を持った谷口さんは、植物図鑑を抱えて、植物を調べた。そこで、植物の中に前の住人の痕跡を見つけた谷口さんは、時間の流れを感じ、人と植物の時間の流れの差をあることに事に気づいた。こうしたような、庭の植物を観察しながら、谷口さんが感じたことが書かれている日記でした。

金川さんからは、時間の幅が感じられた。蛇谷さんからは、興味が移り変わっていく様子が面白い。文章として、もう一度読み返したい。今林さんからは、社会の中にあるモノゴト、外にあるものを谷口さんがキャッチしているのが感じられて面白い。などのコメントがありました。

 

以上が今回のにんけんで発表された日記でした。読み方を工夫している人や、情景を細かに表現する人など、様々な形の日記があり興味深かったです。私は、にんけんの場での日記のあり方がどんどん変化しているように感じました。第二回では、日記は、発表を意識しない文章を書くこと。第三回では、声や話し方によって、文章が違って見えてくること。そして今回は、性別の違いなどに触れながら、自分の内面を表現することに関してコメンテーターが議論していた。今後、発表者は、にんけんの場で議論されたことを意識しながら書いていくことになるでしょう。「自由に書いてもいい」という日記が、にんけんの場では、少しずつ変化してきているのではないかと感じています。コメンテーターの間でも、「日記とは何か?」について悩んでいることが話されていました。私も、今後にんけんの場で「日記とは何か?」ということを発表者としても、読者としても両方の面から考えていけそうです。

今回で、にんけんに参加している学生メンバー全員が発表を終えました。一巡目の発表が終わったことで、次の発表では、これまでの日記を意識しながら書いていくことになると思います。私自身も、前回コメントをもらったことも意識しながら次回の日記を書きたいと思っています。コロナの状況下で、当たり前にできていたことが普段の生活レベルでできなくなっています。ですが、にんけんの場で日記を読むことによって、他の人の様子を知ること、現状でできること、あるいは、できないことに気づけています。それを通じて、自分自身の家族や友人、周りの環境の様子などを振り返る貴重な体験に時間をかけられていると思います。

この前、実家に帰省した際に友達と会いました。会ったことで、現状を知ることがありました。今度の日記では、その時のことを書いてみようと思います。

鳥取大学 稲津ゼミ 三回生 福田健太郎

 

2020年7月16日のにんげん研究会参加者の声

 7月のにんげん研究会定例会も以前同様リモートで開催されました。新型コロナウイルス感染のリスクを考慮したうえで今年度はリモート上であらゆる場所に住む方と繋がり、それぞれの日記を持ち寄って披露しあっています。そのこともあり鳥取県内だけでなく関東圏や九州地方、さらには海外から参加している方もいました。

 

 「オンラインで出会える/つながらないことで出会ったモノ」をテーマに今回も個性あふれる様々な日記が朗読によって披露されました。寄せられたアンケートからは「誰かが読むことで文章の伝わり方、面白さがぐっと変わってくる」「一人一人の声や読み方が魅力的だった」と日記の内容だけでなく今回は発表者の“声”に関する感想が多くみられました。そして、今後に向けて「学生だけでなく一般参加の方の日記も聴いてみたい」という意見がみられました。ぜひ今後の進行の参考にさせていただこうと思います。また、「スクラップボックスのテキストの書き方が分かりやすいと助かる」という意見もいただきました。こちらに関してはあくまで掲載しているテキストは参考であり、これに必ず従う必要はないと思います。掲載の方法も一つの個性として形式にとらわれず掲示してみてはいかがでしょうか。

 

 今回も真っ直ぐな感想や意見をたくさんいただきました。アンケートに関する意見も多数寄せられています。私たちアセスメントチームも皆様によりにんげん研究会定例会を楽しみに参加していただけるよう、寄せられた意見をもとにアンケート作成や今後の活動に精進していきます。今後ともアセスメントチームの活動へのご協力よろしくお願いいたします。

 

にんげん研究会アセスメントチーム一同

にんげん研究会レポート「目で読む、口で読む -「声」から暮らしをのぞく-」

 2020年7月16日(木)に、第3回にんげん研究会(以下、にんけん)が行われました。今回のにんけんでも鳥取大学の学生のみならず、大学外の方の参加もありました。今年のにんけんは「コロナウイルスの影響を受け、オンラインで繋がることで新しく出会えたことや繋がれたこと、繋がれない状況の中で出会えたもの」を日記として発表をしています。書いてきた日記を毎回数名の発表者が読み上げて、「うかぶLLC」の蛇谷りえさん、写真家の金川晋吾さん、アニメーション作家の今林由佳さんの3名が質問や感想を言う形で進めています。前回は9名の学生が各々の日記を発表しました。

今回は、9名の学生以外にも、鳥取市のわらべ館で働かれている高橋智美さんからも発表がありました!私は日記の発表者でありかつ、このレポートの報告者という2つの立場でにんけんに参加していたところ、「声」というキーワードに着目しようと思いました。

日記の文章に、一人一人の声が添えられることでその人の暮らしが見えてきていたのではないかと考察してみました。では、10名の発表者の内容とそれに対するコメンテーターの方たちのリアクションを記していきたいと思います!

 最初に発表されたのは、音泉寧々さん。日付は2020年7月16日、タイトルは「七重と遊んだ」です。友人である七重さんと4か月ぶりに遊んだ音泉さんは、以前から遊ぶ約束をしていてもコロナの影響で中々会えずZOOMやSkypeを使って会っていた2人はようやく直接会って遊ぶことに。少し前にバズったよく飛ぶ飛行機を2人で学部棟の階段で飛ばして遊んだ後は、「ひとつ屋根のした」でご飯を食べ、その後、七重さんのおすすめのホラー映画を見て遊んだそうです。とにかく七重さんと遊べて楽しかったということが伝えられました。

この発表に金川さんは、「ですます調」で書くことで発表するっていう気持ちがありそうとコメントされており、そのコメントに付け加えて今林さんは、「(ですます調で書くことで)書き捨てるのではなく、書き綴っている感じから七重との関係を伝えたいという思いが伝わってくる。」とコメントされていました。

 次に発表されたのは、池田真都さん。日付は2020年7月16日、タイトルは「パソコンとアナログ人間」です。コロナ禍で授業形態がオンライン授業に変わり、授業の出席確認もインターネット上でのレポート提出へと変わった中で、課題を提出しようとしたらサイト内の別のボタンを押してしまって、レポートが全部消えてしまった池田さん。再度書き直そうにもやる気は出ず寝落ちしてしまい結局その日のレポート課題は出せなかったという日記でした。

発表が終わると同時に笑みがこぼれる3人。どうやら池田さんの声がいい声過ぎてハマったようでした。「読み手が変わると話変わる!なんでそんなにいい声なの?」(今林さん)、「一時保存すればよかっただけの話だけど、話の膨らませ方、メリハリのつけ方が上手!」(蛇谷さん)とのコメントがあった後、再び、今林さんからは「アナログ人間なのに伝え方(読み方)が抑揚とかアナウンサーっぽさがデジタル。朗読とのセットでアートって感じ。」続けて金川さんからは「何かやってたの?」との質問がなされたところで、池田さんは放送部に所属していたということが明らかとなり、これにコメンテーターの方々は「あ~」と納得された様子でした。

 次に発表されたのは、石本愛実さん。日付は2020年6月7日、タイトルは「友人とわたし だいたい第300話」です。以前から訪れたいと思っていた燕趙園に友人と出かけた石本さんは、行っている最中の電車の中で友人とたい焼きはどこから食べるかといった話で盛り上がる中、燕趙園に着きました。燕趙園では庭園建築の写真を収めはしたが、建築物やそのスケールを確かめる程度の友人や石本さんの写真しかなかったことが心残りであったそうです。土産物店では2つセットの蓮華を割り勘して買ったり満足した1日だったという日記でした。

この発表に今林さんは、「石本さんの日記は昔の本のような主観を除いた景色を描く書き方、波のような書き方だね。」とおっしゃっていました。石本さんの「写真を撮る目的だったのに友人との過ごした時間・会話が大事だったことを明記したほうがよかったのか」という質問に対して、金川さんは、「もう伝わってるよ。小説のようにそれは描写で伝わってきている。」といった会話が繰り広げられていました。

 次に発表されたのは、角野綾香さん。日付は2020年7月16日、タイトルは「宝くじが当たったらグランドピアノほしいな」です。コロナでの自粛期間の中で家にいる時間が増え、ピアノを触る時間が増えたそうです。角野さんには思い出の曲が2つある。1つはベートーベン作曲のピアノソナタ第8番「悲愴」、もう1つはドビュッシー作曲のピアノ組曲版画3、「雨の庭」。悲愴は、『低く重い低音から始まり、主題も高音に上がっていったかと思えば、また低音から上がりなおすところから、未来に向かっていこうとしたらまたどん底に落とされたような旋律のイメージ』、雨の庭のイメージは、『フランスの雨降る庭で、最初はざあざあぶりなのが次第に止んで虹が出るまでを表しているイメージ』がある。弾きたい曲はたくさんあるけれど、全然弾けなくなっているから自粛期間中に練習したいという日記でした。

この発表に蛇谷さんは、「私はどこに落としてきたんだろうこの気持ち…。」とおっしゃり、今林さんは、「耳から聞いているのに少女漫画を思い出させるような…角野さんの読み方がさらにね…。」とおっしゃっていました。

 次に発表されたのは、福田健太郎さん。日付は2020年7月16日、タイトルは「サツマイモ 苗植え・水まき・手伝い」です。サツマイモの苗を分けてくださる知り合いのもとへ出かけ、根を受け取って、畑に帰り、事前につくっておいた畝にマルチシートに穴を空け、苗を植えていく。一気にサツマイモ畑に完成した後、手伝ってくれた方のニンニクの収穫の手伝いをする。ニンニクの香りが漂ってきてBBQをしたいなといった感情が沸き上がってきたようです。コロナの影響がなければ、農業は経験していなかったと感じる。何かが変わる瞬間に立ち会えることができ、小さな変化に気付けるようになった農業は、案外、性にあっていたという日記でした。

この発表に今林さんは、「カメラがぐるぐる回っているような現実の人間を移すカメラ、五感を伝えるカメラが交互に出てきているのが素敵」といったコメントをされました。

 次に発表されたのは、志茂春菜さん。日付は2020年7月13日、タイトルは「ご飯の記録」です。志茂さんは7月8日から12日までの自身で作ったご飯について書かれていました。『7月8日チャプチェ、9日きのこと鮭のホイル焼き、10日鮭ときのこの炊き込みご飯、11日親子丼、12日たらこスパゲッティ。』自粛生活で部屋で過ごす時間が多くなってしまった中で、授業を受ける時もレポートを作成する時もバイトをする時もずっと同じイスに座っていると、部屋に閉じ込められた感覚があり、心が窮屈に感じてしまう。その生活の中でも心が解放される時間がご飯をつくる時だと気付いたそうです。自身で作ったご飯の写真を家族のLINEグループに送ると頑張ってるんだねと大喜びをされたという日記でした。

この発表に金川さんは、「料理名が羅列されているのがいいね。しかも具体的な料理名で声が伴って聴くことができるからもっと聴ける。」今林さんは、「日記が同じテンポで進み呼吸をしているようで肩の力が入っていなくてすごくいい。」とコメントされていました。

 次に発表したのは、私、綿谷綾乃です。日付は2020年7月8日、タイトルは「じいやばあば と 私 を繋ぐお米」です。お米が無くなってしまった私は、祖父母にお米を欲しいという旨の電話をかけた。 私「米が無くなっただいぞ送ってごさんかえ(米が無くなったんだけど送ってくれない)?」 祖母「はーい分かったよ。イチジクとかぼたもちとか、あとージャガイモと玉ねぎもあっだいぞ(あるんだけど)いらんかえ(いらない)??」 私「ほしい!そい(それ)も送っちょって(送ってて)!」 祖母「はいよー。」結局お米を頼んだだけなのに、大量の仕送りもついてきた。コロナで安心して会えないけど早くじいやとばあばのところに安心して顔を見せに行きたいという日記でした。

この発表に今林さんは、「方言が生で聞けて嬉しい!出身はどこなの?と質問され、私は島根県ですと答えると、おばあちゃんとの会話でリアル方言聞けて嬉しい」とコメントされていました。

 次に発表されたのは、根路銘翔以李さん。日付は2020年6月27日、タイトルは「ひとりの誕生日」です。根路銘さんは毎年自分の誕生日に手紙を書く習慣があり、誕生日当日は、1つ年上の未来の自分に向けてのお祝いの手紙を書いて、ゆっくり午前中を過ごして、買い物をし、夜にはお気に入りの飲み屋さんに行って、大好きなお酒を飲む1日を過ごしたようです。1人でも楽しい誕生日を過ごせる自分を誇らしく思うという日記でした。

この発表に今林さんは、「いつから手紙を書くようになったの?」と質問をされると、根路銘さんは、「小学5年生の時に見た未来日記以来ずっと書いている。」と答えていました。今林さんは「根路銘さんの日記は日記帳をさかさまにして読むような、自分の心の裏側を紡ぎだした感じだ。」とコメントされていました。

 次に発表されたのは、中村友紀さん。日付は2020年7月15日、タイトルは「さっきあったことから書き始めたこと」です。中村さんは、アートマネジメント講座の中で行われた受講者の自己紹介の中で緊張して手汗をかいてしまい、勢いで口が滑り、終わってからは気持ち悪さを感じるほどの緊張を覚えたそうです。中村さんは、自分のことを怖がりだと言いました。ジェットコースターもお化け屋敷も、人と話すことも、不安だけど、自分で慣れて乗り越えるしかないという日記でした。

この発表に蛇谷さんは、「どこに置いてきたかな怖がりな私~~~」と話されていました。金川さんは、「自分との対話をしていて一歩距離を置いて考えているね。」とコメントされていました。

 最後に発表されたのは、高橋智美さん。コロナでわらべ館が休館になったこともあり、今まで開けたことのなかった棚を開けてみるとびっしりと新聞記事が貼られたスクラップ帳を見つけたそうです。さらに資料を探してみると、旧図書館の設計者の情報、図書館分類法を考案した森清が職員として在籍していたことを発見したそうです。旧図書館にあるネガフィルムを機器に通してスキャンをしてみると、50年前の図書館がモニターに現れ感激した高橋さんは、900枚ものフィルムを見続けたそうです。旧図書館のことを知っている方が健在のため、もっと話を聞いていきたいという日記でした。

この発表に蛇谷さんは高橋さんに「普段日記は書きますか?」と質問したところ高橋さんは、「日記を普段描くことはせず、小学生の頃は先生が見てくれて反応があったから自分のためには書かなくなった」という回答に対し今林さんは「高橋さんにとっては人とのコミュニケーションをとるための日記だったんですね」とコメントされていました。

 

 10名の日記はいかがでしたか?10名の生活、物事の見方・捉え方、文章の書き方、読み方が全く違っていて非常に興味深かったです。今回私は、発表者であり報告者でもあったため、発表への緊張と、コメンテーターの発言を必死にメモをしていたので、前回のようにリラックスして「ラジオっぽく」聞くことはできず、どういったことを報告書に書こうか考えていました(笑)前回は「ラジオっぽい」ことが議論されていましたが、今回はタイトルにある「読む」という行為について、「声」をキーワードに考えてみたいと思います。

「目で読む」ことに関連したコメントに注目してみると、「書き捨てるのではなく書き綴ることで友達との関係が見えてくる」、「友達との関係性を描写で伝える」、「2つのカメラがぐるぐる回っているような描写」、「日記を逆さまにしたような表現」といったコメントがありました。聞き手自身がまず文章を読み、その文章から発表者がどのような人物か想像され、発表者自身の暮らしが見えてきていました。

「口で読む」ことに関連したコメントに注目してみると、声質や読み方に特徴があることから質問が広がり過去のことが明らかになったり、「耳から聞いているのに漫画を思い出させるような日記」、「同じテンポで進み呼吸をしているような日記」、「方言を生で聞くことができる日記」というコメントがありました。こちらは発表者が自身の日記に「声」を添えることで聞き手が発表者の見ている世界や暮らしを覗いているような感覚を持たせているように感じました。

同じ「読む」という行為でも目で読むのか、あるいは、口でも読むのかという違いで聞き手に与える印象は変わってきます。日記原稿を目で読むだけでも、その人を想像することはできますが、そこに「声」が添えられたことではじめて見えてくるその人の過去や暮らしもある、そんな気付きを得られた第3回目のにんけんでした。次回のにんけんではどのような発見があるのでしょうか。次回は、8月20日(木)に開催されます。興味のある方はぜひお越しくださいませ!

鳥取大学 稲津ゼミ 3回生 綿谷綾乃