2020年5月21日 にんげん研究会レポート

2020年5月21日(木)ににんげん研究会(以下、にんけん)がありました。2020年度初めてのにんけんはコロナの影響がありzoomを使ってオンライン上で行われました。参加者は30名近くで、例年に比べるとかなり多い人数だそうです。

 

 今回のにんけんでは、まず初めに今年のにんけんの流れ・テーマについてのオリエンテーションがありました。今までにんけんの一環で行ってきた「地域の記憶を記録するメディアプロジェクト」は、インタビューなどを通して映像やスライド、展示など様々な手法で行われていたそうですが、今年は日記を用いて地域を記録していく方法で決定しました。

今年も昨年に引き続き「テーマがない」ことがテーマであり、コロナの影響で変わった日常で新しく見えてきた価値観・出会ったものなどを日記を書くことで記録していきます。

 

 初回のにんけんでは、まず初めに鳥取大学から参加する大学教授、うかぶLLCの蛇谷りえさん、ゲストリポーターの写真家の金川晋吾さんとアニメーション作家の今林由佳さんの自己紹介から始まりました。その後、蛇谷さん・金川さん・今林さん・鳥取大学の稲津秀樹さんが日記を書いてきて輪読を行いました。その後、この四人がそれぞれコメントを言っていきました。今後は、蛇谷さん・金川さん・今林さんがコメンテータとなり学生の日記に対してコメントしていく形になりました。

 

 四人の日記は、表現方法は様々なカタチでした。トップバッターの稲津さんは淡々と景色と感情を述べていくような印象。蛇谷さんは、一つのものに焦点を当てて、そこから見えてきた世界を描いていました。今林さんは、会話を導入しながら記憶がまるで動き出しそうな落語のような雰囲気がありました。金川さんは、自分の見えている世界を考察していくものでした。

その後に話されたコメンテーターの話し合いの中で興味深かったことは、「日記というものはなにか?」ということでした。日記というのは、普段自分が感じていることをそのまま書くもので、自分の秘密にかかわるものであるようです。4人のコメンテーターの間では、文章を書く以上ほかの人の目に触れる可能性もあり、他人の目を捨てることはできない。自分自身の感じていることを晒す作業。一方では、他人の目を気にしないで書いたものが日記なんじゃないかというこという意見がありました。また、にんけんの場では、発表するための日記で異質なものであると思います。こうした考えや条件が今後の学生からの日記にどんな風に影響するのか楽しみに感じましたし、自分自身がどのような立場や考えをもって日記を書くのか深く考える機会になりました。

私は初めてのにんけんへの参加だったのでどんな雰囲気なのだろうかと思っていました。

参加している人で普段の立場を気にせず話し合いの場を作るのを目的としているというとでゆるさも感じつつ、オンライン上で初めて顔合わせをする人もいて緊張もあり、独特の雰囲気でした。身近な生活をもう一度見つめること、疑問や関心を持つこと、忘れがちになりやすいですが、考えることを助けてくれるそういった場になると感じました。

今後もにんけんの活動を頑張っていきたいです。 

(文:鳥取大学 稲津ゼミ3回生 福田健太郎