2019年11月20日のにんげん研究会の参加者の声

 今回のにんけん定例会では、まず参加人数の少なさが気にかかりました。そのためにんけんメンバー1人1人の発表にかける時間は長くとれたので、発表内容に関する意見交換の時間が充実し、より深い話ができた定例会となったようです。

しかし、来月の最終発表に関しての事前準備や運営方法などについて話し合う時間が少なかったように感じられ、また前述した通り参加人数も少なかったため、最終発表に向けてにんけん全体としてもメンバー個々人としても十分な準備ができるのかという所が少し心配されるところです。

 

 また今回参加できなかったメンバーが多かったことから、今後のにんけん定例会では不参加のメンバーの意見が反映できる体制づくりや、不参加の学生のためのフィードバックの方法を見直していく必要があるのではないかと感じました。次の定例会は最終発表の場となりますが、今後のにんけんがより良いものになるように、メンバー全員で話してみてもいいことではないかと思っています。

 

渡辺大志、山下紗世、石賀玲花(鳥取大学地域学部)

地域と文化のためのメディアを考える連続講座 第4弾

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メディアをつかって、目に見えないものを、拡張する。

映像、写真、本、場所など、市民のわたしたちも気軽に使えるようになったメディア。これまで、さまざまなメディアに関わる実践者による講座を通して、地域社会や日常生活の中にある"目に見えない"文化資源の探り方について考えてきました。
第四弾では、研究者、福祉施設長、社会活動家をお招きし、
それぞれの分野でメディアを用いて拡張することで生まれるものは何なのか、メディアに対する捉え方や活用法について思考します。

 

講座テーマ1|短編アニメーション・ワールドの探索地図

テレビやネットで見かけない日はないほど身近でありながら、実は知らないことだらけな「短編アニメーション」。上映会やトークイベント企画も手がける情報サイト「tampen.jp」の活動紹介を軸として、近年の流行や活用事例、作品を見れる場所や作り手になるための方法など、その魅惑的な世界を探索するための案内をしていただきます。


日時:12月4日(水)19:00〜21:00
会場:Y Pub&Hostel(鳥取市今町2-201)
ゲスト講師:田中 大裕(tampen.jp編集長)

予約不要・定員30名


講座テーマ2|豊かな対話による、ケアの現場づくり

舞鶴にある特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」では、ダンサーとの協働プロジェクト「とつとつダンス」の公演をきっかけに「シリーズとつとつ」プロジェクトを2009年から始動し、今もなお行われています。ダンス、文化人類学、哲学などを福祉に取り込むことで、どのようなケアの現場が生まれているのか、事例やエピソードを伺います。


日時:1月29日(水)19:00〜21:00
会場:Y Pub&Hostel(鳥取市今町2-201)
ゲスト講師:淡路 由紀子(グレイスヴィルまいづる施設長)

予約不要・定員30名

 

講座テーマ3|身体で考え、社会へ飛び出す活動体

京都・上賀茂を拠点にする「NPO法人SWING」は、障害のある人ない人およそ30名が、芸術創作活動「オレたちひょうげん族」や、全身ブルーの戦隊ヒーローに扮して行う清掃活動「ゴミコロリ」など、既存の「仕事」「福祉」の枠組みの外へ超えていく活動をしています。概念に囚われず、身体の赴くままに、社会へ広がるプロデュースの思考に迫ります。

 

日時:2月12日(水)19:00〜21:00
会場:Y Pub&Hostel(鳥取市今町2-201)
ゲスト講師:木ノ戸 昌幸(NPO法人スウィング理事長)

予約不要・定員30名

 

全講座講師プロフィール:
田中 大裕(tampen.jp編集長)
抽象アニメーション / モーション・グラフィックス史研究者。アニメーション史研究のかたわら、2018年から国内短編アニメーション総合情報サイトtampen.jpの編集長を務める。国内の短編アニメーションを紹介するライティングや個人アニメーション作家へのインタビューと並行して、上映会やトークイベントの企画・運営をおこなう。そのほか、『ヱクリヲ(WEB)』や『クライテリア』などで論考を執筆。
http://tampen.jp/


淡路 由紀子(グレイスヴィルまいづる施設長)
1963年生まれ。2003年、社会福祉法人「グレイスまいづる」の設立メンバーとなり20年余り勤めた舞鶴市を退職。2005年4月、京都府北部初、全室個室ユニット型の特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」(以下、グレイスという)の施設長に就任。2009年、舞鶴市のアートプロジェクトで、ダンサー/砂連尾理氏と出会う。2010年3月に砂連尾氏とグレイスの入居者による「とつとつダンス」公演が行われたことをきっかけに、グレイスにおいて「シリーズとつとつ」と題した、ダンス、文化人類学、哲学などのワークショップを始める。関係図書/『となりの認知症』(西川勝著/ぷねうま社)『老人ホームで生まれたとつとつダンス ダンスのような介護のような』(砂連尾理著/晶文社

 

木ノ戸 昌幸(NPO法人スウィング理事長)
1977年生まれ・愛媛県出身。立命館大学文学部卒。NPO法人スウィング理事長。フリーペーパー『Swinging』編集長。引きこもり支援NPO、演劇、遺跡発掘、福祉施設勤務等の活動・職を経て、2006年、京都・上賀茂にNPO法人スウィングを設立。人の「働き」を「人や社会に働きかけること」と定義し、芸術創作活動「オレたちひょうげん族」、清掃活動「ゴミコロリ」、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」等の活動をプロデュース。「べき」やら「ねば」やら既存の仕事観・芸術観に疑問符を投げかけながら、社会をオモシロく変えてゆきたいと願ったり願わなかったり。単著に『まともがゆれる ―常識をやめる「スウィング」の実験』(2019/朝日出版社)。

 

鳥取大学にんげん研究会
2012年に鳥取大学地域学部の学生らとゲストハウス&シェアハウス&カフェ「たみ」を運営するうかぶLLCで立ち上げた研究会。2013年以降、鳥取大学地域学部の複数のゼミなどが参画し、合同ゼミとしてゆるやかに活動している。地域社会の中でひとりの「にんげん」がどのように活動し、いかにして仲間を増やし環境をつくるのかについて、生活する人々の視点で、読書会やトークイベント、研究発表会などを行う。2016年から「地域と文化のためのメディアを考える連続講座」、2017年から「地域社会の記憶と文化のためのメディア・プロジェクト」を始動する。これまでの主な企画に「にんげん研究大発表会(2016〜)」、「地域と文化のためのメディアを考える連続講座(2016〜)」、「『聞く』からはじまるコミュニケーション〜「ハッピーアワー」上映会&トークショー(2018)」がある。


地域社会の記憶と文化のためのメディア・プロジェクト
主催:鳥取大学にんげん研究会・地域学部附属芸術文化センター 五島朋子
鳥取大学:人口希薄化地域における地域創生を目指した実践型教育研究の新展開(戦略3ー1)支援事業

お問い合わせ・企画:蛇谷りえ(うかぶLLC)
jatani[@]ukabullc.com、0858-41-2026(ゲストハウス&カフェ「たみ」兼用)

2019年10月23日のにんげん研究会の参加者の声

 久しぶりのにんけん定例会でしたが、前回までと同じようにアンケートを実施したので、まとめてみたアセスメントチームから気になる意見をいくつかご紹介します。

 

 今回のアンケートでは、「鳥取大学から“たみ”まで行くのに時間がかかる為、12月の最終発表は鳥取大学でやりたい」という意見や、「汽車の時間や翌日の授業のためにも時間通りに終わった方が良いのではないか」という意見が特に多くありました。これらを踏まえると、終わりの時間を気にせずに活動に参加できるように、12月の最終発表は鳥取大学で実施した方が良いのかもしれませんね。

 

 また、「前回も話を聞いた学生とまた同じグループになるのは経過を知るという点ではよかったかもしれないが、他の学生の話にも耳を傾けられるようにできたらもっと面白いのかなと思った」という意見もありました。

 

 その他に、にんけんの活動を学生が「やらされている」感じになっていないかという話がゲストスピーカーさんからあり、今後は作品発表に向けて学生一人一人がどれだけ主体的になれるかが重要になるのではないでしょうか。

 

渡辺大志、山下紗世、石賀玲花(鳥取大学地域学部)

2019年7月18日のにんげん研究会の参加者の声

今回のにんげん研究会(以後、「にんけん」)の定例会後、参加者に前回に引き続きアンケート調査を行った。前回よりも一般の参加者が多く、アンケートの回答内容も全体として前回よりも充実したものになっている印象を受けた。

 

にんけんメンバーは現在、1人の対象者にインタビューを行い、その人のことを深く聞き出すという調査を各自進めているが、その“インタビュー“についての気になる意見がアンケートの集計中いくつか見られた。

 

インタビューによる調査を行っている当事者であるにんけんメンバーからは「これ以上聞き出せそうにないような人がいるように感じた」、「『地域の記憶をアーカイブする』というにんけんのテーマに自分の調査内容が合致していないような気がする不安がでてきた」などといったネガティブな意見が書かれていた。調査を始めて2回目の発表の場となった今回の定例会であったが、ここにきて新たな課題が個々人で見つかり始めているようであると感じた。

発表の場で飛び交ったコメント等を受け、今後どのように調査を進めていくのかを今一度見直す必要がありそうだ。  

 

上述のものとは違い、そのようなメンバーにヒントを出すような意見もあった。

一つは「インタビューという行為以前にインタビュー対象者のこころをいかにして開くか」といった意見である。”インタビューをする”という行為をしていくにあたって、特にこれまでに親交のなかった人を対象とする場合、対象者の心を開けるかどうかで聞き出せることに大きな違いが出てくると考えられるため、インタビューをする場づくりや空気づくりをどのようにしていくのかを事前に考えておく必要があると感じる。

 

また、次回以降の定例会において、発表者が第三者にインタビューの熱が伝わりやすいようにいかに工夫して発表するのかに期待したい。

 

渡辺大志、山下紗世、石賀玲花(鳥取大学地域学部)

「にんげん研究大発表会2019」開催

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人間の脱分断:「あしあと」に 耳を傾け、世界を横断しよう

私たちが生まれる前からある町並み、お店や商品。歩くと出会うこの町に暮らす人々。これらは近いようで遠い存在であり、誰かが歩んできた「あしあと」でもあります。耳を傾ければ、小さな物語に触れることができ、無意識に分け隔ててきた時代や地域の壁を飛び超え、過去のものを現在、未来へつなぎとめることができるでしょう。 本発表会は、湯梨浜町(旧東郷町)に学生や一般の方々が一堂に集まり、日常の中で関心事や問題をテーマに調査や実践した事柄を「研究」として捉え、発表し合います。 参加者一人一人が抱える多様な社会へのまなざしや未来を担う若者の価値観について語らうことで、人と人の関係の中で生まれる可能性を探っていきたいと思います。是非ともご参加ください!

 

日 時|8月24日(土)10:00〜20:00、8月25日(日)10:00〜15:00 ※開場は30分前
受付会場|たみ(鳥取県東伯郡湯梨浜町中興寺340-1
その他の会場|汽水空港、よどや、どれみ、法林寺、smoothなど
参加費|1日1,500円(二日通しは2,000円)※学生・町内の方は無料
定 員|40名(要予約/定員に達していない場合は当日受付可能)

発表者大募集!あなたの「研究」を発表してみませんか?

主な発表者は「文化」や「地域学」を学ぶ鳥取大学立教大学の学生たちですが、一般の方からも発表者を募集します。 生活の中で日々工夫したり、苦労している「研究」を発表してみませんか?

詳しい応募概要は、以下の「にんげん研究発表者募集シート」をご覧ください。

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研究発表応募シート

 

 

参加申込み:締め切りは8月22日(木) 24時まで

下記の内容を明記の上、電話かメールでお申し込みください。

1.お名前 2.人数 3.電話番号 4.所属 5.交通手段 6.8月24日の食事会参加の有無(会費:1,500円※飲酒は別途精算) 7.研究発表をする・しない(※発表する方は、お申し込み後に「研究シート」のデータファイルを送付します。)

※参加費は当日会場にて現金でお支払いください。

 

お申し込み・お問い合わせ|にんげん研究会(担当:蛇谷りえ)
Email:ningenkenkyuukai*gmail.com *を@に変換してください。 
電話:0858-41-2026(たみ)

 

主なプログラム

8月24日(土)

9:45 開場・受付 会場:たみ

10:00「松崎ドラマチック物件ツアー」 

集合:たみ  案内人:三宅航太郎

松崎地区にある地域住民が集う拠点やお店、家の中までもまちあるき。この町の営みを覗いてみましょう。

12:00 お昼休憩

13:00「なんちゃって、にんげん研究学会!」

会場:汽水空港、よどや、どれみ、法林寺、smooth

分科会スタイルで、文化や社会学を学ぶ学生と 一緒に研究発表&ディスカッションをします。

17:00 発表終了

18:00「夕食と交流会」  会場:旭区公民館 

会費1500円 1日を振り返って食事をしながら、交流をします。

20:00 終了

 

8月25日(日)

9:45 開場・受付 会場:たみ

10:00「井戸端会議〜わたしのこだわりについて、みんなで駄弁る」

会場:汽水空港、よどや、どれみ、法林寺、soomth

分科会で語られたことを共有しながら、「生活と働く/自己と他者/表現とものづくり/場づくりとコミュニティ」といったテーマをもとに、参加者が集まって、語り合います。

14:30「井戸端会議をまとめる?」

会場:法林寺 司会:稲津秀樹、竹内潔 

二日間をとおして、発見したこと・もっと話したいことをみんなで語り合います。

15:00 終了

 

 

発表者リスト(順不同)

鳥取大学地域学部 五島朋子研究室

アートマネジメントが専門の研究室です。アートマネジメントとは芸術と社会をつなぐこと、と私は解釈していますが、今のゼミ生は私1人なので、とりわけ演劇に関する話題でもちきりです。舞台制作から文化政策まで幅広く文献を読み学び、研究対象を探りつつ、観に行く舞台公演の情報交換でわいわいと弾む、そんな研究室です。(ゼミ生 中村友紀 記)

 

鳥取大学地域学部 竹内潔研究室

「創造地域論」という新しい領域に取り組む研究室。文化政策の実務を行う地方公務員(茨城県職員)から研究者に転身した教員によるゼミで、今年度、初めての卒業生を輩出します。卒業研究で4年生5人が扱っている対象は、音楽ホール、音楽アウトリーチ、祭り、伝統工芸、運河公園で、3年生3人も先輩の背中を見ながら研究テーマを模索中。他のゼミにも刺激を受けながら、にんげんの創造性と地域との関係について研究しています。

 

鳥取大学地域学部 稲津秀樹研究室

鳥取生活も3年目に入りました。卒業生はまだいないので、ゼミ生とテーマやフィールドを耕している状態です。担当者自身は昨年、研究仲間と『サイレント・マジョリティとは誰か―フィールドから学ぶ地域社会学』という本を出しました(ナカニシヤ出版・2018年)。現地を歩き、出会い、話を聞き、現実へと一歩踏み込むことで、私たちの想像力が活性化する瞬間におきていることを大切にしたいと思っています。

 

鳥取大学地域学部 筒井宏樹研究室

美術史の研究室です。ゼミ生の研究対象は、オールドマスターの画家から、鳥取や地元の美術家などです。また美術だけでなく、デザイン、マンガ、イラスト等を研究する人もいます。さらに、卒業制作としてアニメーションや壁画などの実践に取り組む人もいました。現在のゼミ生は3年生3人。タイポグラフィに関心のある落合さん、ドガの作品を分析する白方さん、水まわりのタイルやデザインに関心のある根路銘さんがいます。

 

鳥取大学地域学部 佐々木友輔研究室

視覚メディアと表現に関わることであれば何でも、興味・関心の赴くままに制作(作ること)と研究(書くこと)を続けられる場を理想としている研究室です。現在は4名の学生が、それぞれ異なる表現手法を用いて、短編アニメーションや3DCGの制作に取り組んでいます。

 

立教大学社会学部 小泉元宏研究室

今年、松崎を訪れるゼミ生は、現代文化学科、社会学科、メディア社会学科という3学科に所属する大学3・4年生に、経営学部や国際基督教大学の学生を加えた約25名です。美術・音楽・映像・演劇などのアートと社会の関係性や、現代文化・ライフスタイル、コミュニティ形成などの研究テーマを扱っています。鳥取大学のみなさん、そして松崎や鳥取のみなさんとの出会いや、新たな発見を楽しみにしています!

 

案内人

三宅 航太郎、蛇谷 りえ(うかぶLLC)

2012年に鳥取県東伯郡湯梨浜町に設立した「合同会社うかぶ LLC」。三宅、蛇谷は共同代表を務める。主に宿と飲食が併設したスペース「たみ」(湯梨浜町,2012〜)、「Y Pub&Hostel」(鳥取市,2016〜)の運営しながmら、グラフィックデザインの制作、鳥取大学や「HOSPITALE」プロジェクトのマネジメント、アートディレクションなど、多岐にわたる活動をする。

 

主催:にんげん研究会(鳥取大学地域学部五島ゼミ・筒井ゼミ・佐々木ゼミ・稲津ゼミ・竹内ゼミ、立教大学社会学科小泉ゼミ、うかぶLLC)

人口希薄化地域における地域創生を目指した実践型教育研究の新展開(戦略3-1)連携事業業

 

2019年7月18日のにんげん研究会のレポート

7月18日、湯梨浜町松崎にあるゲストハウス「たみ」でにんげん研究会(以下、にんけん)がありました。今回は、うかぶLLCの蛇谷さんと鳥取大学の学生・教員に加え、一般参加の方4名、ゲストリポーターの方2名にも参加していただき、いつも以上に大賑わいのにんけんとなりました。

内容としては、前回に引き続き、各自で進めているインタビューの報告がメインに行われました。2度目のインタビューということもあり、最初のインタビューでは得られなかった何かしらの発見、気付きが各々の中にあったはずです。それをいかにことばにして聞く人に伝えられるかが、今回報告するうえで重要なポイントとなっていたように思います。

報告するグループはじゃんけんの「グー」「チョキ」「パー」で3つに分かれました。1グループが4~5人と少人数だったため緊張しいな私でも話しやすく、お互いが程よい距離感の中で語り合えるのも個人的には心地よかったです。

一人ひとりに設けられている持ち時間は、報告と質疑応答合わせて約10分。「こうしなければならない」という型も特になく、どのような10分間にするのかは報告者次第、といってもいいかもしれません。まさに、それぞれの「個性」「持ち味」が最大限に発揮される10分間、にんけんの醍醐味がぎゅっとつまった10分間を各グループで過ごしていきました。

私は「パー」のグループで報告を行いました。報告者は(私を含めて)4人で、そのうち2人が映像を使っての報告となりました。やはり映像があると、言葉だけで説明するときとは違った説得力を感じることができます。何もスタイルが決まっていないからこそ、映像に限らず、いろいろな表現方法をこの報告の場で試していって欲しいものです。自分の表現の可能性がどこまで広がるのか、その実験の場としてにんけんを利用してみるのもまた面白いと思います。

実を言うと、「パー」グループの中で最後の最後まで話が盛り上がっていたのは、私の報告でした(大変恐縮です…)。シンプルに、インタビューしたい人に話を聞きに行ったら取材を拒否されたという話をしただけなのですが、なぜあそこまで盛り上がっていたんでしょうか…。話した本人の頭の中には未だにクエスチョンマークが残っています(笑)。ただ、「取材拒否」のエピソードを共有してみて、自分一人で考えたときには出てこなかった気付きをいくつも得ることができたのは事実です。たとえば、「相手のことを知りたければ、まず自分のことから話してみると親近感がわきやすい」とか「インタビューされる側とインタビューする側で必ずしも言葉のとらえ方が一致しているとは限らない」とか、自分ばかりでなくインタビューされる側のことも同時に考えながら話す内容や言葉を選んでいかなければならないのだなと改めて考えさせられました。

一度は取材拒否されましたが、私はまだインタビューの対象を変えるつもりはありません。今後どうなっていくのか未知数ですが、めげずに頑張っていきたいと思います。

…気付いたら結構な分量、自分語りをしてしまいましたね(汗)。すみません。話をもとに戻します。

各グループの報告が終わった後は、全員が集まって、冒頭でも紹介した一般参加の方とゲストリポーターの方からのコメントに耳を傾けました。「インタビュー内容を聞いただけの人はインタビューされた側の人とつながっているようでつながってない、不思議な感覚になる。その感覚を味わえるのが面白かった」「最初は当日着ていた服やインタビューしたときの状況の話をしていたのに、最終的には周囲に関する話へとつながっていったのが印象深かった」「インタビューの中で相手ばかりが話すのも良くないし、自分ばかりが話すのも良くない。相手のこと、自分のこと、その両方がバランスよくさらけ出されるのが一番。でも実際は難しい…」など、すべてを書き起こすことができないのは残念ですが、1つひとつ中身の濃いコメントをいただくことができました。

そうこうしているうちに今回のにんけんも終了。来月はいよいよ「にんげん研究大発表会」が行われます。詳細もぼちぼち公開されると思うので、気になる方はぜひチェックしてみてください。みなさまのお越しを心よりお待ちしております。

 

増岡(鳥取大学地域学部)

2019年6月20日のにんげん研究会レポート

6月20日(木)に、松崎駅から徒歩3分のところにある「ゲストハウスたみ」でにんげん研究会(にんけん)の集まりがありました。

皆より早めに来て、会の準備をしてくれている学生のおかげでいつもスムーズに会が始まります。

前回のにんけんで、学生はそれぞれインタビューしたい人とテーマを決めました。今回はその結果発表です。

発表は3グループ(1グループ4、5人)に分かれて1人15分程度の持ち時間で行われました。全員のお話が聞けないのは残念ですが、少人数のため発表しやすい環境でした。

インタビューする人やテーマを統一せず、また発表手段も自由だったため、選んだ人や質問内容、その伝え方に個性が出ていてとても面白かったです。
インタビューにちなんだ写真や物があると想像しやすく、内容がより分かりやすく伝わってきました。

最後に全員で集まって、発表の感想をグループごとに伝え合いました。
◯話し手目線
・自分が聞いたこと・体験したことを言葉にするのが難しかった
・インタビューした人がどういう人なのかきちんと見れていなかった
・自分が話を聞いた時の状況を伝えることや言葉の選び方が難しかった
・生い立ちが面白すぎて省けなかった
◯聞き手目線
・病気についてのお話に驚いた
・インタビュアーではなくお客さんとして聞き出したのが面白かったのでこのまま明かさず、続けてほしい
・良く知っている「ザ・理系」な先生が文系だったことに驚いた
◯上手だった発表
・聞き手にとって新鮮な内容で、またまとまりとオチがあった
パワポまで用意し、真面目な生い立ち紹介からの、急な恋愛話のギャップが面白かった
・話し手の愛が伝わってきて、素の自分で楽しく聞けた

その後、学生や先生方による宣伝タイムがありました。自分で積極的に活動を行っている人がたくさんいるので、これからもこういう時間は設けていくみたいです。

最後に、アセスメントチームの学生がつくってきてくれたアンケートを書いて会は終わりました。

会が終わった後も聞きたいことや話し足りないことがある人がたくさんいて、多くの人が話し込んでいました。

次回のにんけんでは、インタビューを更に深掘りしてきて発表し合います。
良かったら是非ご参加ください。

井田(鳥取大学地域学部)